特集: 確率と「ことば」
[2000年1月13日作成]
今回は、ことば工学の枠組の中で、確率を考えてみたいと思います。
「ことば」と確率..... 言語と数学?
なんだか、関係なさそうですが、よくよく考えて見ると、関係がありそうです。
例えば、芸術では1950年代には確率を使って様々な可能性を探していました。
ダダで行なわれていた cut up method もつきつめれば、確率です。
又、詳しい内容は人工知能学会誌2000年5月号に載る予定ですが、ことば工学に
対する座談会で松浦さんは、
新しい形なり、アイディアなどを創造するということは、確率的にゆらいでいる
心の状態の中の何かを一つジャンプすることで creation となる
といった内容のことを話されていました。
又、この本は誰誰の作であるとわかるのは、いつの間にか、確率モデルを頭の中に
作ってしまて」いるのではないでしょうか?
会話をしていて、いかげんに言ってもなんとなく、通じるのは、ことばに対する確率
モデルが頭の中に出来ているのではないでしょうか?
更に、最近の言語処理には、確率モデルに基づいた手法があって、良い結果が得られて
いるようです。
いや、「ことば」は確率で十羽ひとからげに説明出来るような簡単な代物ではないというアンチテーゼも
あるかと思います。
今回の研究会では「確率」をキーワードに、
- ことばにまつわる確率の話
- 確率を導入してことばを扱った例
- ことば工学に使えそうな確率理論
- ことばを扱うことに確率を持ち込むことへのアンチテーゼ
- などなど
を議論したいと思っておりますので、論文投稿をお願いします。
もし、更に議論したい内容がございましたら
lingua@cslab.kecl.ntt.co.jp
まで御連絡下さい。
当然、通常の論文も同様に歓迎いたしますので、どしどし応募願います。