○山本 侑、増田 雄一、松澤 和光 (神奈川大学)
人間の会話をコンピュータに理解させる研究が種々行われている。 人間の会話では「言語体系的な意味」だけではなく、 固有名詞に代表されるような「実世界的な意味」が大きなウェイトを占めている。 固有名詞は実世界における大きな背景的情報が含まれており、 その情報をお互いがある程度共有していることが、 人間の会話を成り立たせているとも考えられる。 ところが、今までの自然言語処理の研究では、 固有名詞が持つ背景情報に関しては充分な研究は行われて来なかった。
本研究は、コンピュータによる会話理解を目的に、固有名詞の持つ背景情報 (固有名詞知識)を新聞記事などのコーパスから獲得することについて検討する。 また、獲得した知識の評価法・利用法のひとつとして「時事問題クイズ」への適用を提案し、 いくつかの結果を報告する。