○鈴木 宏昭 (青山学院大学 文学部)、植田 一博 (東京大学)
ユーザインタフェース研究は使いやすさの向上を追求し、さまざまな改善を行なってきた。 これらの試みにはさまざまな方向があるが、有力なものの一つとして、 賢い機械がユーザの一方的要求の意味を探り、 適切な処理を行なうというアプローチががある。本研究ではこのアプローチを、 人と人の間の対話をベースにして構築された、 コミュニケーション的インタフェース論の観点から批判する。 そしてユーザと機械の間で信頼と愛着を伴うコミュニケーションがなされるためには、
- 対話性:話すことが理解可能になるように努力せよ、
- 冗長性:複数の表現方法を用いよ、
- 開自性:一貫した人格(モード)で接し、相手と自己の暗黙の信念を相対化せよ、
という3つの条件が満たされなければならないことを主張する。 発表においては、これらの条件を支持する心理学的研究、 およびこれらの条件に基づいて製作されたユーザインタフェースの評価実験について報告する。