◯沼田 真克、小方 孝 (岩手県立大学)
本研究は,筆者らの物語生成システムにおける映像表現の部分に位置付けられる. 本研究では物語の概念的な構造については既に設計されていることを前提とし, それらの概念を映像表現に変換するためのシステムに関連する. 映像表現には,物語内容の表現と表現自体すなわちカメラワーク等の映像撮影技法に分れるが, 本研究では後者を扱う.物語の概念表現をTVML (TV program Making Language: NHK 放送技術研究所によって開発されたマルチメディアによるテレビ番組 (カメラ・スタジオ・BGM・動作等)作成用のスクリプト言語に変換する機構を基盤とする. また映画の撮影技法を検討し,それを整理して組み込む. 処理のレベルとしては自動的な映像撮影の前段階の半自動的な処理までを扱う. すなわち,物語概念表現からTVML スクリプト言語への変換は自動的に行われるが, 特定の映像に如何なる映像撮影技法を適用するかは手動で行う支援的ツールの開発を主要な目的とする. その発展として,より自動化の度合いの強いシステムについて検討する.