新田 義彦 (ALS (日本大学・ALR (言語研究アソシエーション))
俳句は見ての通り極小の断片文である。人工知能による機械的生成もたやすい。 外見からは、機械生成の作句と人間が丹精してひねり出した句の区別が難しいこともある。 素人の駄句を凌駕する機械生成の句も有り得る。人工知能の躍進 (≒跳梁跋扈?) の時勢の中で、人間的な独自性・独創性という矜持や証左をどのようにして確保したらよいのか考えているが、 その中間報告をしたい。考察の便の一つとして、俳句が重視する「歳時記」が展開する 「オントロジー空間」を取り上げたい。