仲本 康一郎 (独立行政法人 情報通信研究機構)
本稿は、生態心理学の知覚・行為観に基づき、属性の意味論を構築する試みである。 属性は一般に、対象に備わる事物の属性と考えられてきたが、 属性の理解に関わるわれわれの経験や理解を考慮すると、属性は単なる事物の客観的な性質でなく、 そこで暮らす人間にとっての行為の可能性やある事象を引き起こす傾向性などの相互作用的属性、 または、生態心理学のいうアフォーダンスに言及する概念として分析されることがわかる。