鍋島 弘治朗 (関西大学 文学部英語英文学科)
本稿では、まず第一に、鍋島 (2003) に述べられた客観モード (以下、Oモード) と主観モード (以下Sモード) の区分1が主観化 (Langacker, 1990) の概念に沿って定義できることを確認する。 次に、この定義による二つのモードの違いが異なるイメージスキーマ (Lakoff, 1987; Johnson, 1987) に関してどのような結果をもたらすか敷衍する。 さらにこのOモードとSモードの起源が幼児の習得に見られることを認知発達の文献から検証し、 この区分が認知的に重要な区分であることを主張する。