○村上 尚司、天沼 博、松澤 和光 (神奈川大学)
概念ベースとは単語の持つ意味(概念)を、単語それ自身とその他の単語 (属性と呼ぶ)集合との関係で表した知識ベースである。 概念ベースの構築に関しては、辞書データを使う場合が多いが、 辞書に無いような新しい単語や固有名詞などには適用できないし、 「特定分野の文章で使われている意味」といった文脈依存の関係が抽出できない問題がある。 従って、コーパスなどでの共起関係の利用が考えられる。しかし、 共起関係において単語間の関係は多種多様なので、 どの共起が概念ベース構築に最適かは明らにはなっていない。 本報告では、文章中の係り受け関係に注目し、 これを利用した概念ベースの新しい構築法を提案し、いくつかの実験結果について簡単に報告する。