松下 光範、松田 昌史 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
本研究の目的は、 遠隔地間協調作業を支援するシステムに関する設計指針を提案することである。 本稿ではその基礎的検討として、対面環境による協同と遠隔環境の協同を比較し、 それらの環境の違いがコミュニケーション行為にどのような影響を及ぼすかについて検討した。 二つの異なる実験を対面環境と遠隔環境とで実施し、 課題達成率とコミュニケーション行為の違いについて分析した。 その結果、(1) 直示行為の有無は課題達成率と発話内容に影響する、 (2) 他者を視認できるか否かは課題達成率の向上には寄与しない、 (3) 発話頻度や発話内容は条件に影響されない、ということが明らかになった。