○松田 孝、赤石 美奈 (法政大学 情報科学部)
本研究では、小説を対象に、 各登場人物に基づく視点から人物相関図を可視化することによって、 物語全体からは見えなかった人間関係を可視化し、 内容理解を支援することを目的とする。人物相関図は、 物語の内容を理解するのに適していると言われている。 しかし、既存のものは静的で、物語全体という単一の視点で生成される。 また、制限された領域に作図するため、 人手で表示すべき関係が取捨選択されているので、表示されない関係も存在する。 これでは、内容理解支援には不十分である。よって、本研究では、 着目する人物を表す単語が出現する文や、発話関係に着目し、 注目する人物を中心とした人物相関図を生成し、 可視化することで、隠れた関係を顕在化する手法について述べる。