【講演概要】

単語のプリズム特性による概念スペクトル干渉の実験的考察

○小池 央晟、早矢仕 晃章 (東京大学工学部システム創成学科)



多様な情報検索・類似度評価アルゴリズムの登場は利用者に関心が強い情報へのアクセスを容易にした。 しかし、過度な最適化は本来有用なはずの情報へアクセスする機会を妨げ、 フィルターバブル問題やエコーチェンバーを誘発するリスクを孕む。 本研究では、 概念間の関連度評価に介入することで本来到達し得なかった情報へ到達可能にする単語の性質として、 プリズム特性の存在を仮定した。 実験によりプリズム特性の存在と効果が示唆され、 さらに一般語のみならず造語でも確認されるという興味深い結果を得た。 また、プリズム特性の工学的理解と応用に繋げるため、 集合的・分散表現によるベクトル表現にも拡張できるような単語の意味空間表現を提案した。