片岸 大威、澤口 楓 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)、
○小野 淳平 (青森大学ソフトウェア情報学部)、
小方 孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
我々は、物語の構造に関する知識と人工知能技術を有機的に融合した物語生成システムを開発している (Ogata, 2020a, 2020b)。 これを統合物語生成システム (Integrated Narrative Generation System: INGS) と呼ぶ。 このシステムは、物語の構造に関する知識においては、物語を生成するために用いる概念辞書を持つ。 これまでに、物語を構成する事象のために、名詞概念辞書と動詞概念辞書の開発を行った。 しかし、言葉の種類という観点から見た場合、名詞及び動詞は、 物語を構成する必要最低限の要素である。 これまでに、概念辞書全体の構成と課題について触れ、修飾概念について考察した (Ono & Ogata, 2022)。 修飾概念には、形容詞、形容動詞、副詞が含まれるが、ここでは形容詞及び形容動詞を扱う。 本稿では、形容詞及び形容動詞概念辞書について、作成した言語表記辞書を使い、文生成における形容詞及び形容詞概念の利用方法について言及する。