石村 源生 (北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門)
来るべきテクノロジーを我々の社会の中にどのように位置づけていくべきかという問題を考えるための手がかりとして、 具体的な未来シナリオを複数描出し、それらを比較検討する、という手法がある。 この手法としてはフューチャーサーチ、シナリオプランニングなどが典型的だが、 ここでは、複数のシナリオ (=選択肢) を多様な評価基準に沿って考えたり議論したりすることによって、 シナリオの扱うテーマそのものの理解を深めると同時に、 参加者が自らの価値基準の枠組みを再構築することを目的としたワークショップ手法の開発について報告する。 筆者はこのワークショップ手法を、「看護ロボットの医療現場への導入」 という具体的なテーマを設定して試行しており、 その結果を踏まえながらこの手法の妥当性について検証する。