原田 暢善 (千葉大学フロンティア医工学センター)
物語の外部化環境を分節する機能を発現における、自身の、 初め+中間+終わりの要素における顕著性および構造性が、物語の機能としての “詩的創作”および“想像”の発動でのアモーダル補完機能への関与に関して検討を行いたいと考えている。 初め+中間+終わりの機能を発動する際の作用を、リクールは“詩的創作” および厚東は“想像”と呼んでいる。 外部の環境要因においてそれが物理量に還元でき象徴性を有していない環境要因の一つである形式的環境において、 オドボール課題 (ミスマッチ反応の課題) において、顕著性とは、 多数の標準刺激と少数の逸脱刺激との物量量 (周波数および強度等) の差異である。 一方、構造性は、標準刺激の中に逸脱刺激が分布している音刺激列の規則性 (ランダムさおよび規則性) で1/fn ゆらぎのべき乗n で表すことができる。 顕著性および構造性でミスマッチ反応の強度は大きく変化する。 一方、物理量に還元できず象徴性を有している環境要因の一つである象徴的環境要因は、その事例として、 動物の首と胴体の映像を考えた場合で考えた場合、顕著性は、動物の首と胴体の意味的距離 (事例:ウマ―ウマ: 0、ウマ―シカ: 1、ウマ―ライオン: 2) が、 反映すると考えられる。また、ウマの概念のプロトタイプ性 (中心性) も顕著性に影響すると考えられる。 一方、構造性としては、ウマの概念の親密度およびウマの映像の単純さ (付与されている情報の多さ少なさ) が関与していると考えられる。
物語が外部環境を切り取り、その際に、その構造の初め+中間+終わりによる “詩的創作”および“想像”の機能を発動する際に、 初め+中間+終わりの構造の顕著性および構造性が関与すると考えられる。 “詩的創作”および“想像”の作用は、“初め”と“終わり” の間の意味的・概念的な隔たりが、“中間”の存在によって結び付けられた際に発動、 すなわちアモーダル補完 (ブリッジング推論) が行われる際に発動されると考えられる。 その際に、物語構造における初め+中間+終わりにおける顕著性および構造性が大きく関与すると考えられる。 物語構造における顕著性とは、“初め”と“終わり”の意味的距離または関係のプロトタイプ性 (中心性)、また、構造性は、“初め”と“終わり”の親密度および単純さ (付与されている情報の多さ少なさ) が、関与していると考えられる。 物語構造における顕著性および構造性に関し、2 つの事例、国際学会の 「シェイクスピア・ポストコロニアリティ・ヨハネスブルグ1996」の報告、 現代思想、Vol.24-15、1996年12月、pp16-54、および、浜谷直人、 “どのように子どもの心の時間は分節化されるか ―自閉症児者の時間の区切りの難しさ―、心理科学第31巻1 号、 2010年6月、pp23-30 を対象としながら議論を行いたいと考えている。