○古澤 智博、荒木 健治 (北海道大学大学院 情報科学研究院)
回文とは言葉遊びの一種であり、上から読んでも下から読んでも読みが同じになっている文のことである。 例として「竹やぶ焼けた」「私負けましたわ」等がある。インターネット上には回文投稿サイト (https://kaibun.jp/) があり、質の高い回文が多数投稿されている。 過去にも日本語での回文自動生成の研究が複数行われている。しかし、 それらの研究の問題点として、長い回文に対応していない点が挙げられる。 本研究では、この問題点に着目し、比較的長い文についても質の高い回文を生成することを目標とする。 本研究で取り扱う長い回文の範囲は、仮名文字数16から25の範囲の回文とする。 この範囲において、既存手法および提案手法での回文自動生成を行い、 アノテータによる人手評価と、事前学習済み言語モデルによる自動評価での比較を行う。 実験結果から、特に長い範囲である仮名文字数22から25の範囲において、提案手法の有効性が確認された。