福島 宙輝 (慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科)
Johnson[1987]のイメージスキーマは、 概念メタファーと並び「思考の鋳型」として広く理解されているが、 一般には単なる視覚的図像として考えられている。 しかしイメージスキーマはマルチモーダルなものであり、 複数の感覚次元にまたがるものであることが指摘されている [Lakoff,1987; Turner, 1991); Clausner and Croft, 1999; 鍋島,2004]。 本研究ではJohnson[1987]のイメージスキーマ分類を基軸とし、 味覚表現に見られるイメージスキーマ事例を収集する。 その上で視覚中心のイメージスキーマとの差異を分析し、 味覚の記号接地過程における換喩的・隠喩的な事態構成の様相を検討する。