【講演概要】

民話風物語生成・表現システムKOSERUBE第二版に向けて ―物語生成機構を内蔵した娯楽コンテンツの提案―

小方孝,秋元泰介,小野淳平,今渕祥平,○遠藤順,栗澤康成,鎌田まみ(岩手県立大学)



本稿では,「いわての民話 KOSERUBE」と呼んで我々が現在開発を進めている, 物語生成システムの応用システムであり,ここではその第一版を整理し, 第二版に向けた考察を行うことを目的とする.
まず,「いわての民話 KOSERUBE (第一版)」とは, 岩手県に因んだ登場人物や場所や物品が登場する民話風物語の概念表現, 文表現及び音楽を自動生成し,さらに画像部品を自動編集し, ユーザがインタフェース画面を通じて操作・鑑賞出来るシステムの初版である. なお KOSERUBE (こせるべ) とは岩手方言で 「(物語を)拵えよう・作ろう」を意味する.
KOSERUBE は新たに構想を開始した子供が楽しめるような娯楽的コンテンツとしての応用システムである. 統合物語生成システムは,様々な物語生成の技法の統合により多様な物語の構造とテクストを柔軟に生成出来ることをコンセプトとするが, KOSERUBE はその現在の技術水準を利用して比較的理解し易い物語が生成される娯楽的な機構を狙う.
本稿では概念表現・文・音楽・映像の自動化システムとして曲がりなりにも稼動するシステムのプロトタイプを示すことで, 今後の発展に向けた議論や課題整理を行う.