【講演概要】

BERTモデルと補助文自動生成に基づいた日本語アスペクトベース感情分析の精度向上 (OL)

○張 懿陽、ジェプカ・ラファウ、荒木 健治 (北海道大学大学院 情報科学研究院)



アスペクトベース感情分析 (aspect-based sentiment analysis (ABSA))とは、 テキスト内の特定のアスペクトに対する意見の極性を特定する感情分析タスクである。 アスペクトベース感情分析は細かい粒度の感情分析であり、 より詳細で有用な情報が扱えるため、NLP分野で注目され続けている。 しかし、日本語に特化した研究はまだ少ない。 本研究では、chABSAデータセットを用いた日本語ABSAタスクのアスペクト感情分類 (aspect sentiment classification) サブタスクの精度の向上を目的とし、 補助文を自動的に構築し、原文と補助文を組み合わせた文でBERTモデルを Fine-tuningするという英語のために提案された手法を改良した上で日本語に適用した。 性能評価実験を行った結果、日本語ABSAタスクのベースライン手法より Accuracyは0.4ポイント高く、F値は4.3ポイント高いことが示された。 同じデータセットを使用した先行研究の実験結果よりAccuracyが8.4ポイント改善し、 提案手法の有効性が確認された。 今回の実験結果は、先行研究で対象としていないNeutralクラスを対象としたものであり、 提案手法の全体的な有効性が確認されたと考えられる。