青木 慎一郎 (岩手県立大学 名誉教授)
「ことば」について、その現実の会話と演劇における相違について検討した。 ASD特性の方達のコミュニケーションを検討することによって、 多数派あるいは定型発達者のコミュニケーションのあり方が見えてくる。 ここでは、アリストテレスが「詩学」において取り上げている演劇の構成を現実の会話と対比させて考察する。 アリストテレスの「詩学」における演劇という物語の「構成要素」 という考え方を取り上げる。演劇については、小説や映画と比べて台本を除いては 「痕跡が残りにくい」という点においても現実の会話に近い。 このように近似性があるからこそ、両者の相違点からの比較が有効と考えられる。