阿部 明典
AARは、類似節を求める際に、 概念ベースを用いる類似節検索を利用しているが、 そこでは類似語検索の際に観点が考慮されており、 観点が類似語を求める際に重要なファクタとなる場合があるにも拘らず、 AAR に於いては類似節を求める際に特に観点は考慮していない。 このことにより、本来類似節となるべき節が類似節とならない場合が生じる。 従って、AARに於いて類似節探索を行う際にも 観点を考慮しないと、不本意な解しか得られない場合が生じる。 しかし、AARの推論時には観点(状況、文脈とも捉えることが可能)は明示さ れていない。従って、何らかの手段で観点を求める必要がある。
非明示的な文脈を抽出する研究、文脈による概念の変化を考慮する研究には [Helmbold 1994] や [Widmer 1996]などがあるが、それらの研究は 学習の過程に於いて、時間とともに変化する概念の変化を見つけ、それに学習 のバイアスをあわせていくという漸時的なものである。 しかし、AARは必ずしも時間の変化や、それに伴う概念の変化を推論の時に必 ずしも意識しているわけではないので、上記の研究とは少々趣旨が違う。 又、[Widmer 1996]では、 連続して生起する事象に対して、それが連続して起こる確率を導入することで、 文脈による概念の変化を抽出している。更に、他の研究に於いても、マルコフ過程 等の確率過程を利用して、不整合の起こる度合によって概念の変化を求めている。
しかし、本論文に示す推論の場合、必ずしも時間軸に就いては考慮していないので、 観点を複数の推論の結果、もしくは、確率過程等の指標から抽出することは出来ない。
従って、本ページでは推論を行なう時に使う(と思われる)節集合を参照して 観点を抽出し、その観点を考慮して仮説を生成する手法と、 仮説選択に於ける観点の役割を示す。

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